カナキティ徒然草

舞踏家カナキティ、日々のつれづれ。

こんばんは、カナキティです。

日付は明けて31日。

いよいよ3月ですね。2021年という数字にも馴染んできたような。未来感がすごいもんね、2021年って。SFかよ。

コロナ禍となって舞台が激減した一年でしたが、一方でスチルや映像のお仕事はたくさん出来ました。

楽しい現場や素敵な出逢いがたくさんありました。


このブログに訪れて下さる方は、本当に私のことを好きでいてくれている人なのだろうなと既に感じています。(物好きめ、感謝し切れないぞ)

そういうわけなので、私もどんなSNS媒体でもここまで丁寧には紡がないなってくらい、誠心誠意書こうと常々思っています。

今日はそんな皆様に改めてお話したい、素晴らしい写真家との出逢いについて。


昨年、アムステルダム出身のAnouk Brouwer(アヌーク・ブラウワー)という写真家に出逢いました。

https://www.anoukbrouwer.com/

「まるで一目惚れだった」と後から彼女は話してくれましたが、出逢ってすぐにオファーをしてくれて、私も直感でYESと即答、以来撮影を重ねて来ました。

初めての作品はこちら。GATA MAGAZINEに掲載されました。

https://gatamagazine.com/articles/photography/the-quest-by-anouk-brouwer

これまで10年以上、様々な媒体や作品でモデルを務めさせてもらったし、舞台の写真もたくさんあります。特に踊っている私は私ではないといつも後から見て思います。私の身体に、私以上のなにかが宿った状態だなと。

でもアヌークの写真を見て驚きました。その何とも似つかない、これは本当に純粋にただただ「私」だなと。私は初めて「私」を目撃したような気がしました。

彼女のホームページのトップに現在、私が水面から顔を出している写真があるのですが、それを見たとき「ああ、そうだ。私は今、人生で初めてようやく水面から顔を出して世界を眺めている」と感じました。ずっと人生は、海の底から眺めているような心地でした。昔から私は生きている実感がとても薄くて。それから本気で命に向き合おうと腹を括って、それがついに功を奏し、水面から顔を出したら彼女がカメラを構えて待っていてくれたような、そんな出逢いでした。

そして年の終わりに撮ったものを置いてゆきます。C-HEADS MAGAZINEに掲載されました。

https://www.c-heads.com/2021/01/18/信頼-a-series-about-trust/

Anoukがこの作品に寄せてくれた文章が本当に美しくて、頑張って訳しました。自分をこんな風に描写してもらえることは奇跡みたいで、最早現実に起きていることとは思えないレベルで、感謝はいつも言葉では全く言い尽くせなくて歯がゆく悔しい。だからこれからも表現で返していかなきゃ、と本当に思います。

信頼”, the Japanese word for trust, honors my relationship with Kana and all she taught me. Our paths crossed at an interesting point in both of our lives in 2020 and within months she was able to steal my heart and give it back in a different shape, changed forever. I have been struck by her fluency in the languages of courage, imagination, sensibility and trust. Trust in herself. Trust in her body. Trust in me. - Anouk Brouwer

"信頼 "という日本語は、私とKanaとの関係、そして彼女が私に教えてくれた全てを称えていると思います。私たちの道は2020年、双方の人生における興味深い時期に交差しました。出逢って数ヶ月のうちに、彼女は私の心を盗み、別の形で返し、永遠に変えてしまいました。私は彼女の、勇気、想像力、感性、信頼についての言語の流暢さに心を打たれてきました。彼女自身への信頼。彼女の身体への信頼。そして、私自身への信頼。」  -アヌーク・ブラウワー

出逢ってから時間を重ねて辿り着けた一つの到達点。今はさらにここから共に進化していて、先月の撮影もすごくよかった。

まだまだ旅は始まったばかり。


将来に不安になることもあります。クリエイターの仲間ともよく話します。

こんな風な生き方がこわくないかといえば、こわいに決まってるだろう。笑

でも結局逃れられない。このようにしか生きられない。

だから目の前のことを、魂に正直に、直向きに一生懸命やるしかない。

もう本当にそれだけです。

守りに入らないように、自分ではっぱかけていくしかないですね。よし。

こんなに暖かいなんてすごいね。春の夜って感じだね。まだ2月なのに。春の生温かい夜の風は、なんとも言えずに鳩尾あたりがうずうずとして、たくさん記憶を運んできて、センチメンタルになるのだから、まだまだエモいね自分よ、と思います。まだまだ若い心があるじゃないのと、自分を励ましますね。

一人、とても幸せな夜だから書こう。

私が大好きなCOoMOoNOの舞台を観てきました。

例えば、映画「TENET」や「パラサイト 半地下の家族」のような、誰もが絶対に楽しめるだろうと、世間が十分に話題にしていても更に自分もイキって人に勧めるものと、誰もわかってくれないとしても地球の終わりまで私は絶対にこれが好きだと、私の大切なひとたちに、こっそりおすすめしたいものがあるとしたら、COoMOoNOは後者。

自分の宝物のレコードを、自宅に好きなひとたちだけ集めて皆に披露するような気持ち。(あ、私レコードないけれどね、イメージの話ね)

だから書いちゃう。

久しぶりに観ることが出来て、久しぶりに私の好きなCOoMOoNOのスケールで、本当に胸がいっぱい。久しぶりにお腹の底から震える喜び。この世にこの作品があってよかったなぁって思う類のものです。

どうやったら人に伝わるのだろうと毎回思う。演劇でくくれない「体験」なのだよな。

1カットの映画を観ているような。いや、1カットと言ったのは、お芝居なので現実には動き続けるわけで、カットがないからなのだけれど、その感動はどちらかと言えば美しく緻密なカット割の映像作品を見たときのようなんだよな。COoMOoNOに出逢って、灯りと音響と人の動きと言葉で、こんなにも鑑賞者の意識や視点を繊細に動かすことが出来るのかと驚いて感動して、それから何年も経って。今もその感動は変わらず。

日々の中の、本当に誰とも共有できない子供の頃からの宝物のような記憶みたいな作品。

こういうものがこの世に存在することが、なんと生きていく上での勇気になることか。ありがたい。

この時期に伊集院さんの新作書き下ろしを享受出来るなんて幸せすぎる。

秋の夜長に一人良質な小説を読んでいるときのような脳の使われ方でした。

・COoMOoNO

http://www.coomoono.com/

本当に、出逢ってほしい。


COoMOoNOのように、この人生で本当に胸が抉られるというような作品がいくつかあって。有名無名関係なく。私はそれらの作品に出逢って人生が全く変わってしまった。それって今思うと本当にすごいことで、ずっとずっと大切にしていきたい。

私が19歳のときに、私も自分の中にある景色をこの世に出していきたいって本気で思った、きっかけ。そんな音楽をつくる古い友人。

・mitsuru shimizu

https://vimeo.com/45352444

https://vimeo.com/26166539

そして私が舞踏を志したきっかけ。今でもずっと、私の神様。

・根耒裕子

https://youtu.be/TBqxGa8yo84


あれから随分と時間が経ったのに、やっぱり観ると、なにやってんだ自分、まだまだだなと思う。

藝術はそうやって本当に人の人生を変えてしまうのだからすごい。

そういう宝物を携えて、死ぬまでやっていく。


春は、そういう気持ちを運んでくる。

震災から10年。もうすぐ親元を離れて10年。私が初めて一人暮らしをした小さなあの部屋から、10年が経ちます。

真夜中のコインランドリーからの帰り道、自転車で走った細い道。夜はどこまでも続いていて、世界はこの手にあるのだと思った。今だってそう思う。

照らしてくれた小さな光を追いかけて、自分も誰かを照らす光になれたらいいと願うし、きっとああいう時に誰かに呼ばれたような気がするのは、それは未来の自分の声だと思う。

「走って、走って、ここまでおいで。大丈夫だから」

だから私たちは発信をやめてはいけない。

目に映るものへの愛を止めてはいけない。

そう思いながら踊っています。

このまま春になればいいのなって思うくらい、お天気が続いて暖かいですね。東京はいつも2月が一番雪降るのにね。

近所を自転車で走ると、梅が咲いているのを見かける。あれは小学生だったか中学生だったか。国語の先生が「梅の花のような女性になりなさい」と言いました。桜のように華やかではないけれど、2月というまだ寒さが厳しい時期に、ぽっぽっと咲いて人の心を温める梅の花。素敵なことを言う先生だなと思い、今でもなんとなく心に残っています。

私もそれなりにフェミニストですが、別にあの話は古くからの女性像を子供に押し付けるとか、そういう話ではないと今でも素直に思える。日本の男尊女卑は深刻だと思うけれど、戦いたいのは権利やジェンダー関係なく全ての人が自由に自身を表現できるようにということであって、日本の女性の強さは尊い。

日本以外でも四季がある国はたくさんあるのに、何故か日本人は日本の四季をとても誇っていて、それを可愛いなと思う。でも今日梅の花をたくさん見かけて、日本人はきっとこの四季を愛でる心を誇っているのだろうなと思い直す。古くから、花見、紅葉狩、月見など、自然の美しさにいちいち感動して、わざわざ席を設けて愛でては歌を詠むような、そういう心。

春ですね。そしてコロナ感染予防のためにマスクをつけることがすっかり当たり前になって、でもこの時期にふと体感する。

「うーわ、花粉の季節」

いつもは時期が来てつけ始めるマスクをもう既に通常装備にしているけれど、やっぱり花粉は花粉で感じるよキツイ。笑 こんなに晴れているから毎日でもお布団を干したくなるけれど、ちょっと待ってよく考えたら布団干した日の夜は鼻水しんどいじゃんって気付く。笑


さて私は、先週の土曜日に第Q藝術で公演があったわけですが、その後はやはりいつものようにしばらく死んでいました。笑

身体痛いし放心状態で「もう二度元気は戻らないのかしら」と不安になる程に何も出来ず、映画を見る元気すらなく、ひたすら寝ていました。いつもそう感じては不安になり、結局復活するというサイクル。いい加減慣れてよ自分。笑 もう10年以上なのだから。笑

ご来場及びご視聴、本当にありがとうございました。

アーカイブ残っているので、見逃した方ももう一度見たいと思って下さる方も、まだ見て頂けます。

https://youtu.be/dHS60eJvfkY

舞踏なんてものは生で見ないと本当につまらないと思うし、映像で伝わるのだろうかと配信前は心配していましたが、去年の緊急事態宣言の頃からいち早く配信に取り組み始めた第Q藝術のスタッフの皆さんが、カメラ3台で伝わるように撮ってくださったおかけで、海外からも「映像で見ていても一瞬で終わったように思えた」というフィードバックを頂いて嬉しい限りです。世界中で画面の前に待機してその瞬間を共有してもらえたというのは、配信だからこそなのだなとテクノロジーのおかげの広がりをひしひし感じる機会になりました。

Asraの素晴らしい詩とリーディングのパフォーマンス、mstの素晴らしい音楽。公演としてはとても良かった。本当に二人の才能に目を見張ります。

ただ自分の踊りに関しては、まだまだ全然ダメだと反省しております。表現力についてのことではなく、私の動きそのもののこと。もっと研ぎ澄ませられるし探求しなければならない。感情表現に頼りすぎず、動きそのものをもっと丁寧に探っていかなければならない。身体をもっと使えるようにならなければならない。4年間何してだんだよバカ死ね自分と思います。

どんなに様々な現場で経験を積んでも、バレエなど既にあるダンスのジャンルのメソッドを学んでも、私の動きは結局私しか極めていけないのを痛感しています。特に私はそのように踊りを始め、そのような道に入ってしまったから。

私にとってダンスの先生でありライバルのような人に「俺も昔からずっと見ていてアドバイスできるかいろいろ考えてきたけど、やっぱりかなちゃんの場合は本当に自分でやっていくしかないんだよな」と言われて、そうなんだよーわかると思っています。正解がないから辛いのよ、この道は。誰も教えてくれないんだもん。カナキティ舞踏は、私が死ぬまで自分で追求していくしかないのよね。


上記の映像は無料で見られるので、もしよかったら。そして視聴は無料ですが、応援チケットというものがあって、劇場の運営費及びアーティストのギャラになります。

https://qartseijo.stores.jp

明大前に52年間あったキッド・アイラック・アート・ホールの意志を継ぐ、アトリエ第Q藝術。今回は初めて足を運んでくださった方も多く、本当にいいスペースなので嬉しかったです。


今年はもっともっと、自身の表現を磨いていけるよう、精進します。

熱をそこに全て注げるように。


ちなみにこのブログ、完全に不定期更新なので、SNSをあまり見ない方は、LINEで更新通知を受け取る方法が一番いいかと。(下の方にボタンがあります)

私もlivedoor blogはいくつかそのようにLINEで更新通知を受け取っています。便利。

SNSとしては私が一番情報を流しているのはinstagramなのですが、livedoor blogはアメブロのように更新のお知らせをinstagramに飛ばせないのです。格差。笑

今日ちょっと笑ったのは、instagramにはたくさんのメッセージが来るので私基本的に見ていないのですが、ふと目に入ったのが「Tinderで見かけたのでフォローしました」というもの。

いや、私Tinderやってないけどな。笑

2月は28日間しかないからあっという間な感じがしますね。皆様良い日々をお過ごしください。

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