それは、他者からは絶対に与えられないもので

にもかかわらず、他人から与えられないと
自分は不完全なのだと思い込んでいる

つまり幻想。

子供のときもらいそこねたのだから
絶対に絶対に他人からもらわなきゃ

そうやって走り続ける。

外に求めれば求めるほど、飢餓に似た痛みがやってくる。

べったりとした闇。

街の景色が昼も夜もサイケデリックに歪む。

そういうなかで生きていた。


承認欲求を恋と勘違いする。

性欲を恋と勘違いする。

自分で抱えきれない不安と孤独を、他人に向けることが恋なのだと勘違いする。

この人なら埋めてくれるかもしれないと期待する。


若い頃なんて皆そんなものかもしれない。

いや、若くてがむしゃらで、そういう恋でたくさん苦しむことも地球での一興。

だって地球ならではの分離感だし。


でもやっぱり、愛し方がわからないと、他人とは上手くいかない。

好きになって、その先。


自分を大切に出来ないと、他人のことも大切にできない。

自分を愛せていないと、他人のことも愛せない。

表面的に受け取ると、サッと過ぎてしまう言葉だけれど、これ本当にほんとうのことだ。


自分のことを尊重できないと、他人のことを尊重できない。

尊重ってなにか。

自分の感情を丁寧に扱うことかな。

全部、隅々まで自分で聴いてあげる。
それは他人には出来ない、絶対に。

私だけが、私のために、一生そばにいる。

そうすると、承認欲求が消えて
他人へのコントロール欲もなくなる。


夢を叶えてあげたかった。

あの頃の二人の。

でも私はもう、その私じゃなかった。


あの時、一緒になれればよかったか。

いや、ちょっとずつ違う出来事を重ねて
私は結局今の私に辿り着くに違いない。


きちんと自分の足で立って
人と自分は違う人間で、それぞれが個で
一生混ざり合うことはないと理解するのは

ほんのりと孤独が伴う。常に。

でも悪いもんじゃない。

そこに自由があるから。

本当の自由があるから。

人生は実は楽しいものだ。

離れることも厭わないのが、ego death.

人生の午後のはじまり。