「ケイエムシネマ企画から参りました、カナキティです。ハローキティのように世界中で愛される日本のアイコンになるべく、この名前で活動しています」
これ、私のオーディション時の自己紹介です。
どう?ダメ?同業の皆さま、この自己紹介良くなさそうでしたら、教えてくださいね。笑
でも本当にそのように名付けた芸名です。
海外の方にも覚えてもらいやすいように、発音しやすいように。
あとKana Kittyで「KK」になって可愛いかなって。フルハウスのドナ・ジョーが「DJ」みたいに、KKって呼んでくれてもいいよ。まだ呼んでくれた人いないけど。私もすぐには自分が呼ばれてるって気付けないかもしれないけど。笑
カナキティという芸名がいいですと社長に申し出たときは「えーーー、そんな名前にしたらすぐ変えたくなるわよ」と言われましたが、「大丈夫です。カナキティおばあちゃんになります」と食い下がり、通りました。カナキティおばあちゃんになるもん。
オーディションの受付のときにはよく、「日本の方ですか?」と訊かれます。中国や台湾のハーフとか…?みたいな。顔がめちゃめちゃアジアなのでね、私。嬉しいです。しめしめ効いてるぞ、みたいに思っています。
現場では「キティさん」とか「キティちゃん」と呼んで下さる方がいて、それも嬉しいです。そう言ってるその方が可愛らしくて。
さて、私はキャラものとか一切ダメな方で、キティちゃんグッズを集めることはしないのですが、純粋に彼女をリスペクトしています。こんなに世界に知られている日本産の創作物は、他にないのではないかと思って。
何故カナにキティをくっつけることになったのか。
はっきりとしたきっかけがあります。
2016年、私は舞踏公演のためにヨーロッパにいました。
その日はベルリンにいて、オフなので一人で蚤の市に出掛けました。マウアーパークという州立公園でした。
アンティーク雑貨など魅力的なものがたくさんあって、わくわくしながら買い物していました。食べ物が売っていたり、来ている人々は家族や恋人同士でのんびりしていたり、野外フェスのような雰囲気です。
ぶらぶらしていると、歌が聴こえてきたので「ライブでもやっているのかしら」と思って音楽のする方へ歩いていきました。近付いてみると物凄い観客の量だったので、有名な人のコンサートなのかと思えば、なんとその実体は、カラオケ大会だったのです。
歌いたい人は手を挙げて、司会のお兄ちゃんに選ばれると歌えるシステム。
こういうとき、自分はどこかおかしいのかなと思うのですが、急に挑戦したくなった。笑 友達と一緒にいてふざけあってノリで…とかじゃないのに。完全に一人なのに。しかも日本人どころかアジア人も見当たらない、どアウェイなのに。
皆さん今どれくらいの規模の場所を想像して読んでますか?屋外ですが、簡易的に座れるようになっているところが段々になっていて、コロシアムのような形になっている。選ばれた人は、その中心で歌います。景色は小さめの野音みたいな感じです。
中心まで降りていって、前に座ってしばらく様子を伺っていると、隣にいた酔ってベロベロのファンキーなおばちゃんが、頼んでいないのにも関わらず、歌っている人たちの解説をめっちゃしてくれる。そして私が日本から来た旨など話すと、おばちゃんが「(この子よ、この子を歌わせてあげて)」と猛烈にアピールしてくれたおかげで、私は無事に司会のお兄ちゃんに選ばれたのです。
おばちゃん、司会のお兄ちゃんに賄賂を送ろうとか、あなたが選ばれるなら彼のチ◯ポをしゃぶってもいいとか言ってて、さすがベルリン。皆パンク。
おばちゃんの事を思い返していたら話が長くなりましたが、私は歌うことになり、ステージへ。
そしてMCのお兄ちゃんによる私の紹介。
「(彼女はTOKYOから来たKanaだよ。わー、彼女すっごく日本人て感じだよね、ベルリンにやってきたハローキティだね)」
間違いなく、当時としては人生で最多の観客数。
その時に思いました。皆、ハローキティは知っているのか、と。
同じツアーの中盤あたりで行った、観光客など一人もいないような南フランスの田舎でも、フランス人の小さな女の子がキティちゃんの服を着ていました。
すげーな、ハローキティ本当にリスペクト…と、思ったわけです。
ちなみに歌った曲は、カーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」でした。「エヴリィシャラララ」で観客が手を振っているのを見ながら、ロックスターのような気分を体験しました。いや、確か私が煽ったんだ、自分から。笑 そしたら皆が手を振ってくれたんだ。
懐かしいですね。
目標はもちろん、サンリオさんとお仕事をすることです。
頑張ろう。