来る18日(日)18:00から、開催中のSaki Otsuka個展『女であるために』で舞踏パフォーマンスをさせて頂きます。
https://note.com/otsukasaki/n/n622085154525
イベントに寄せて、Instagramのストリーズに書いた文章を、ここにも残しておこうと思います。
今回舞踏パフォーマンスをやらせて頂く展示のアーティスト大塚咲さんは、高校生の頃に性犯罪被害を受けていることを告白しておられます。
その経験、ご自身のキャリア、全てを背負ってアーティストとして活動されていること。なんという覚悟の強さか。
私は幼少期に身内から性的虐待を受けていました。隠してはおらず、その事を扱った作品も過去につくっている。でもなにをどこまで話していいかは今もよくわからない。親族に悲しむ人が出る。
「そんな大したことされてないんだし…仕方なかったんだ」そういう言葉が後から後から出てきて、それでもいつも話そうとすれば喉が詰まるようになるのだから、私は自分が思っていたより傷付いているのだろう。
10年以上、浅く長い期間に及んだその恐怖は、性犯罪被害とはまた少し違うのかもしれない。ただ、身内に敵がいるということの難しさと家族への不信感は、私の人格形成には影響した。
だからといって「アートに救われた」とかそんな安いことは言いたくない。本当に本当に言いたくない。
自分を救うのは結局自分だ。もちろんそのプロセスに於いて助けにはなった。
でも藝術はそんな小さいものではないはずだ。藝術は、人類の過去現在未来を繋いでいくものだ。
ただ、踊っていたことで、咲さんのこの展示に辿り着けてよかった。本当によかった。咲さんに出逢えてよかった。
精一杯踊ります。
The artist of the exhibition I'll perfom for, Saki-san has confessed that she was a victim of sexual assault when she was in high school.
She is now working as an artist with her experience, her career, and everything else on her shoulders. What a strength of determination.
I was sexually abused by my relatives when I was a child. I don't hide it, and I have made works about it. But even now, I don't know what to say or how much to tell. Some of my relatives will be grieving.
I guess I'm hurting more than I thought, because I always choke up when I try to talk about it.
That fear, which lasted for more than ten years, a long and shallow period of time, may be a little different from sexual assault. However, the difficulty of having enemies in my family and the distrust of my family has affected my personality development.
That said, I don't want to say that "art saved me" or something cheap like that. I really really don't want to say that.
In the end, it is only you who saves yourself. Of course art helped me in the process though.
But art is not such a small thing. Art is something that connects the past, present, and future of humanity.
I'm just glad that I was able to dance and reach this exhibition. I'm really glad. I'm glad to have met this amazing woman, Saki.
I'll spend all my energy to dance for her and all women.
投稿してから国内外、たくさんの方からメッセージを頂きました。たくさんloveを送って頂きました。反応なんて考えず、自分が腹を括るために書いただけだったので驚いて、感謝でたくさん泣きました。
頂いたメッセージの中から、お名前は伏せて一つ。
「Kanaさんがア―ティストとして背負っているのは、被害者家族としての、そして加害者家族としての二重の十字架です。パフォーマンスア―トは、全ての属性から解き放たれた「名前のない自分」ですが、私はkanaさんが自分の運命から逃げずに真摯に生きてこられた魂の軌跡を見ると、いつも、凄いなあ。本物のア―ティストは違うなあって、感動します。そして、性被害は、目には見えず、理解されにくく、誤解をされやすいのに、勇気をもってカミングアウトされている事を尊敬しています。ずっと陰ながら応援しています。」
そうか、二重の十字架、そういうことだったのかこのどこにも行けない気持ちは…と、つかえが取れたように、嗚咽を漏らして大声で泣きました。言語化して頂けたことで、肩の荷が降りたようで。こんな風に受け止めてもらえることがあるなんて、想像していなかった。
めちゃくちゃな自分を理解したくて、若い頃私も自分で調べ、たくさん本を読み、勉強してきました。そして今日たまたま目に入ったリンクが、性被害のトラウマについてわかりやすく説明してくれていると思ったので、貼っておきます。
https://trauma-free.com/trauma/sexual-violence/
昔読んで理解していたはずだけれど、なぜか今改めて「なんだよかった、全部書いてある。学問的には随分しっかりと研究されていて、その後の私たちの言動はとても自然なことだったんだ」と、思うことが出来ました。
理解が広まりますように。